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「シュミじゃないんだ」 三浦しをん [本を読んだのだ。]

シュミじゃないんだ

シュミじゃないんだ

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本


   愛してやまぬボーイズラブ漫画について五年にわたって書き続けたエッセイ。
   BLにハマっている人にも、「なんじゃそりゃー」な人にも、ぜひ読んでいただきたい、
   BLの奥深さとおもしろさ、そして、
   どのように世の多くの女子が腐女子でありBLの虜となるのかがわかる一冊。 
   BL初心者の人には、ガイドブックとしてもオススメ。
   もしかしたら最初で最後の(!?)書き下ろしBL小説「夏の思い出」を収録!! 
   夭逝のマンガ家・あとり硅子の連載時のカット(サイレントマンガ)もすべて収録!!




しをんさんの、「小説ウィングス」で連載されていた最新エッセイ集。
ボーイズラブについて、かなり熱~く、厚~く、語っておられます。
通勤時間帯に読み始めたんですが、
顔がニヤけるのが止められなくて、かなり困りました。

あとり硅子さんのイラスト、マンガもとっても素敵です。

18章までありまして、
それぞれの章が、テーマを持って、
そのテーマに合った、オススメ漫画を解説していらっしゃいます。

それが、
この本に出てくる、しをんさんオススメのBLマンガが、
先日私が記事にした漫画喫茶バトンにも挙げた、
私が好きな作家さん、好きなBLマンガと、
かなーーーーり、重なっているのですよ!!

いやー、ビックリしました!!!!

決してこの本を先に読んでから、
先日のリストに加えたわけじゃないんですよ。

例えば、
依田沙江美さん「真夜中を駆け抜ける」
よしながふみさん「ジェラールとジャック」
山田ユギさん「俺は悪くない」
紺野けい子さん「愛の言霊」
高井戸あけみさん「ブレックファースト・クラブ」
等々等々・・・。

いや、これ一部なんですけどね。
私も愛してやまない作品、作家さんたちが、勢ぞろいなんですよ。

このエッセイの凄いところは、
腐女子と呼ばれる人たちが、
ボーイズラブのいったいどこに魅かれているのか、
どういったことを求めているのかを、
限りなくまじめに分析しているところだと思います。

さあ、そこの腐女子の皆さん、
これを読んで、一緒にニヤけましょう!

そしてBLに興味を持ってるが、未読の方々、
この本を読めば、BLにハマるツボが理解できるはず。
さあ、あなたもBLの世界へ!

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「Shelter」 近藤 史恵 [本を読んだのだ。]

先日から読んでる「整体師」シリーズの3冊目です。

Shelter(シェルター)

Shelter(シェルター)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫


   世界はわたしたちに優しくない?
   心のシェルターを求めて出逢った恵(めぐむ)と少女のミステリアス・ジャーニー
   〈人はなぜ、最も大切な人をいちばん傷つけてしまうのだろう?〉
   これ以上、妹を傷つけたくないと過去から逃れるように東京に来た江藤恵(めぐむ)は、
   いずみと名乗る謎めいた少女と出会う。
   「殺されるかもしれない」とすがってくる少女にいつしか妹の面影を重ね……。
   愛し合い傷つけ合う若者の心に染みいる異色のミステリー。

今回も、2つの話が交互に進みます。
ひとつは、接骨院の美人受付姉妹の姉、恵の章。
そしてもうひとつは、いつもの通り、雑誌記者の小松崎の章です。

恵は、外国旅行に行くと言って妹・歩の前から逃げた東京で、
ある少女を助けることになります。
その少女を助けるうちに、
このシリーズのいつもの展開のように、
自分の気持ちに向き合えるようになっていきます。

そして小松崎も、
姉が失踪したショックで落ち込む歩ちゃんを見守りつつ、
接骨院の整体師、合田院長と共に、
いつの間にか恵を助けることになっていきます。

今回のお話、あまり面白くありませんでした。
ただ、合田院長の過去を知る新しい登場人物が出てきたので、
次巻以降に、合田院長絡みのお話しになりそうです。

んんー、最近はライトノベルばっかりだったので、ちょっと飽きてきました。
傾向違うのを、未読本の中から探して読み始めようと思いまーす。


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「茨姫はたたかう」 近藤 史恵 [本を読んだのだ。]

最近、漫画は買ってるんですが、自宅でじっくり読む暇が無くって。
通勤時間に読んでる本ばかりになっちゃってますが、お許しを・・・。
1時間くらいで読める本、あんまり好きじゃないんですけどね。
片道で読み終えちゃうから2冊持っていかなくちゃいけないし。

これも、先日読んだ本の続き。
「カナリヤは眠れない」の次の話し、整体師シリーズ2冊目です。

茨姫はたたかう

茨姫はたたかう

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 文庫


   「童話の眠れる茨姫は、王子様のキスによって百年の呪いが解け、幸福になった。
   もしそれが、ストーカーのキスだったら?」
   対人関係に臆病で頑なに心を閉ざす梨花子は、ストーカーの影に怯えていた。
   だが、心と身体を癒す整体師合田力に出会ったのをきっかけに、
   初めて自分の意志で立ち上がる!
   若者たちに贈る繊細で限りなく優しい異色のサイコ・ミステリー。

今回のお話も、2つの章が、交互に展開していきます。

ひとつは、
弟が突然の出来ちゃった婚で、実家で同居する事になったために、
独立せざるを得なくなった久住梨花子の、
1人暮らしと、仕事についてのお話し。

もうひとつは、
前作と同じく、週刊誌の記者である小松崎雄大の話し。
今回は、歩ちゃんとの交流の話しが中心。

これがまた、話しの後半で、接骨院を通じて、繋がっていきます。

梨花子の新居の両隣が、面白いキャラクターの人たちです。
片方は、冷たく無表情で、言いたいことをはっきりと口にする、エロホモ漫画家の早苗。
もう片方は、人懐っこい、天然が入ってる、ホステスの礼子。
梨花子は、彼女たちに反感を覚えつつ、本心を隠し、付き合っていきます。

「いい子で居れば幸せになれる」と、
心の底に無意識に置いて日々を過ごしていく梨花子の周りに、
上司とのトラブルなど、少しずつ歪みが出てきます。
そのうち、ストーカーの被害に逢い始めるのですが・・・。

今回も、梨花子が自分としっかりと向き合えるようになっていく様は、
とても爽快です。
早苗と礼子との関係が、だんだん素敵になっていくのも、気持ちいいです。

あと、小松崎と歩の関係が、ちょっとだけ進展しました。
接骨院の受付嬢姉妹、恵と歩の過去も、だんだん明らかになっていってますね。
2人には幸せになって欲しい!

シリーズ3冊目、今日買ってきました。
明日、読むのが楽しみです。 


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「時の鐘を君と鳴らそう」 柴田 よしき [本を読んだのだ。]

先日読んで記事にした、「星の海を君と泳ごう」の続編です。

時の鐘を君と鳴らそう

時の鐘を君と鳴らそう

  • 作者: 柴田 よしき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/10/12
  • メディア: 文庫


   念願の銀河中央出版局に就職したララ。
   しかし、正規編集者抜擢を目前にしてミスを犯し、左遷されてしまう。
   失意のララに届いた演説会の案内。
   次期銀河連邦大統領候補者は、かつて一緒に冒険をしたウィニー。
   再会を喜ぶ二人だったが、当夜、連邦を狙ったテロが起きて…。
   少年と少女は大人になり、現実を知る。
   でも、夢は終わらない―。新たなる冒険の物語。

前作の「星の海を君と泳ごう」から20年後。
冒険を共にした大学の仲間も、バラバラ。
でも、皆が政府の要職や、責任ある仕事に就いて活躍しています。
そう、ララ以外は。

ララは、会社の責任を1人で負って左遷された地で、
大統領候補となったかつての冒険仲間、ウィニーの演説会を知り、
20年ぶりに再会します。
9歳だった生意気な少年は、29歳の素敵な青年になっていました。

そんな感動の再会をし、歓談をしている最中、
同じ地区のホテル1棟が、まるまる占領されます。
それは、ティオリミット社という乗っ取り会社への恨みによるものに見えましたが、
実は裏では、大統領候補ウィニーの暗殺計画が進んでいたのです。

大勢の人質を解放する替わりに人質となったウィニーを助けるため、
ララは、ウィニーの秘書のジムとともに動き出しました。

このお話し、前作と繋がってたので読んだんですが、
本のちょうど真ん中辺で、話しの展開が読めてしまって、興ざめでした。
それと最後の恋愛部分、その展開、わざわざ要らないのでは・・・。
ララとウィニーの20年前の話しを、そこかしこで匂わせていながらその展開?
と、ちょっと不満です。

お話しは解決するのですが、
ウィニーの今後とか、
大統領選挙の行方がどうなるのか。
作者の柴田さんは続編を書くとおっしゃっていますが、
なるべく早めに書いて欲しいです。
ウィニーの今後が気になって仕方が無いです。


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「カナリヤは眠れない」 近藤 史恵 [本を読んだのだ。]

カナリヤは眠れない

カナリヤは眠れない

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫

   変わり者の整体師合田力は、“身体の声を聞く”能力に長けている。
   助手を務める屈託のない美人姉妹も、一皮剥くと何がしかの依存症に罹っていた。
   新婚七カ月目の墨田茜を初めて看たとき、力は底知れぬ暗い影を感じた。
   彼を驚愕させたその影とは?
   やがて不安が現実に茜を襲うとき、力は決死の救出作戦に出た!
   蔓延する現代病理をミステリアスに描く傑作、誕生。


この本は、けっこうテンポ良く読みやすかったです。
通勤時間に1日で読み終えちゃいました。

お話しは、
一見幸せな結婚生活を送っている、主婦・茜の、
茜自身も気付いていない抑鬱された日常の暮らしと、
その気持ちを払拭するためにする衝動的な買い物、
夫と上手くいかない自分を責めている気持ちを描いた章。
そして、
関西のローカル週刊誌の記者である小松崎雄大がたまたま通うことになる接骨院で、
そこの院長と受付の美人姉妹と交流していく過程を描いたお話しの章が、
交互に展開していきます。

後半は、接骨院が話しの接点となって、
いろいろ話しが、そして謎が繋がっていくのですが、
その接骨院の院長、整体師の合田力の施術が、
本当に気持ち良さそうなんですよ~!

あとね、茜がカードでする買い物の描写が、
すごぉ~く、身につまされるんです。
女性なら、1回は経験したことあるんじゃないかな?
(少なくとも私はあります)

高価な服を思わず買ってしまって。でも現金で払えないからカードで払う。
そして借金の罪悪感に包まれつつも、すぐにまたカードで買い物をしてしまう。
茜の場合は、それが重なって自分を追い詰めるようになっていくんですが、
お話しは、え?まさかぁ!?の展開になっていきます。

最後のほうで、茜が自分と向き合えるようになり、強くなっていく過程は、
とてもステキで、悲しくて、でもちょっと羨ましい展開でした。

お話しは「整体師シリーズ」として続いているらしいです。


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「風が強く吹いている」 三浦しをん [本を読んだのだ。]

風が強く吹いている

風が強く吹いている

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09/21
  • メディア: 単行本
   2001年の正月、酩酊しつつテレビを見ていた三浦しをんの脳内に
   天啓のような閃きが駆け抜けた。「箱根駅伝いいっす。これは小説になる!」
   以来、駅伝経験者を訪ね、H大とD大に取材を申し込み、
   早朝の練習や高原の夏合宿に随行、
   記録会や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行。
   構想・執筆6年、ここに本邦初の王道「青春小説」が誕生した。
   箱根駅伝をめざす若者たちを通して、自分と向き合い、ひとり孤独に戦いながらも、
   確実に誰かとつながってゆく・・・
   生きるための真の「強さ」を高らかに謳いあげた青春小説!
   カバー装画、挿画は気鋭の日本画家、山口晃氏が担当。

   寛政大学4年の清瀬灰二は肌寒い三月、
   類まれな「走り」で夜道を駆け抜けていく蔵原走に出くわし、
   下宿の竹青荘に半ば強引に住まわせる。
   清瀬には「夢と野望」があった。
   もう一度、走りたい、駅伝の最高峰、箱根駅伝に出て、
   自分の追求する走りを見せたい。
   その「夢と野望」を「現実」にするにはあと一年しかない。
   そしていま強力な牽引者が彼の目の前に現れたのだ。
   竹青荘は特異な才能に恵まれた男子学生の巣窟だった。
   清瀬は彼らを脅しすかし、奮い立たせ、「箱根」に挑む。
   たった十人で。
   蔵原の屈折や過去、住人の身体能力と精神力の限界など、壁と障害が
   立ちはだかるなか、果たして彼らは「あの山」の頂きにたどりつけるのか。
   直木賞受賞第一作、構想・執筆に6年かけた、
   超ストレートな大型青春小説!


コピーそのまんま、
目指せ箱根駅伝!超ストレートな大型青春小説
です。

たまたま同じ大学で、同じ下宿に集まっただけの10名が、
大学入学の4月から箱根駅伝の1月まで、
無謀にも挑んでいく日々を楽しく、詳しく描いています。

文章は軽めで、かなりテンポが良いので、一気に読めちゃいます。

私にとって陸上って、全く興味のない分野で、
もちろん長距離なんてかなり苦手なんですが、
箱根駅伝って、なぜか毎年応援に行っちゃうし、
往復ともにテレビでチェックしちゃう。

とは言っても、
選手がどうやって箱根に向けて挑んでいるとか、
どういう練習をしていってるとかは、全く知りませんでしたが、
このお話し、かなり勉強になりました。
っていうくらい、
学生たちの練習や、
試合や、
日々の葛藤まで詳しく描いてありましたよ。

また、箱根の選手たちの行動を1区ごと、詳細に追っているんですが、
それが途中で読み終わらせないスピード感と面白さなんです!

主役は蔵原走と清瀬灰次。
そして竹青荘の面々たち。
彼らが皆、個性的!

 102号室は司法試験に合格済みの、ユキ
 法学部4年。眼鏡で白くてひょろっとしてます。

 104号室ニコチャン先輩
 理工学部3年なのに、最長老25歳。熊みたいにがっしり系。

 201号室には双子のジョータとジョージ。1年生。

 202号室キングさん
 テレビのクイズ大好き!社会学部4年生。

 204号室は、華やかな風貌なのに漫画大好きの王子
 文学部2年。

 203号室、国賓留学生のムサ
 理工学部2年。黒人です。日本語ベラベラ。

 205号室神童。商学部3年生。実家は山奥。

 そして、
 103号室は、(かける)。社会部1年。

 101号室が、ハイジ。文学部4年。さっぱりとした顔立ち。

彼らの交流は、青春していてかなり好い感じ。
それぞれが箱根に向けていく気持ちも、さまざまですが、
それをコントロールしつつ纏めていく、
ハイジの手腕は見事なものです。


読み終わってから見る表紙の絵も楽しいですよ!!
今も、表紙を見ながらニヤけてしまいます。

箱根駅伝を見たことある人(って、日本人殆ど?)は、
読んで、楽しめると思います。

これ、ビジュアル化しやすいお話ですよね。
しをんさん、直木賞取ったし話題性もあるから、
スペシャルドラマとかになっちゃいそう。
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シャーロック・ホームズの愛弟子「公爵家の相続人」 ローリー・キング [本を読んだのだ。]

いやー、やっと出ました。
前作から2年です、長かった・・・・。

「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズ(ラッセル・シリーズ)6巻目です。

公爵家の相続人―シャーロック・ホームズの愛弟子

公爵家の相続人―シャーロック・ホームズの愛弟子

  • 作者: ローリー・R. キング
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫

   ネロ・ウルフ賞受賞の人気シリーズ第6弾!

   ホームズとメアリは自宅に思いがけない客を迎えた。
   前作『エルサレムへの道』のパレスチナで、
   二人に協力して密偵として活躍したアリーだ。
   実は彼はイギリスの貴族で、
   同じ密偵だった一族のマフムードことマーシュ卿の苦境を、
   助けてほしいと言う。
   二人はさっそくマーシュ卿の住むジャスティス・ホールを訪ねる。
   年代を経た壮麗な屋敷で、
   マーシュ卿は兄のボーヴィル公爵家の悲劇を語りだした…。
   殺人?陰謀?名門貴族の館を揺るがす悲劇。
   ホームズとメアリの捜査が暴いた真実は。

 

いやー、びっくりした。
あのアリーとマフムードが、
前作「シャーロック・ホームズの愛弟子 エルサレムへの道」からは
全く想像が出来ない、
英国紳士ですよ、英国紳士!

し、しかも公爵家の血筋。

マフムードなんて、第7代公爵になっちゃってるんですよ!!
公爵って!!
をいをいヲイヲイ、
パレスチナで、殺人的な緊張感のあったあの2人が、
英国の名門貴族、公爵家の血筋って・・・。
いやー、ほんとびっくりでした。


マフムードの悲劇(?)のはじまりは、兄で第6代公爵の死から。
爵位の継承権を持つ次男のマーシュ(マフムード)は砂漠から呼び戻され、
公爵家の館ジャスティス・ホールで、生ける屍となっていたのです。

それをどうにか救いたい、彼が息をつける砂漠へ、無事に助けたいと、
ホームズとラッセルに助けを求めた、アリー。
3人は、公爵家の館、カントリーハウスのジャスティス・ホールへ向かいます。

マーシュ卿の跡を継ぐ者が見つかれば、
マーシュは「マフムード」となって、
アリーと共に砂漠へ、パレスチナへと旅立てるのです。

しかし、兄の息子ゲイブリエルは、
第一次世界大戦の戦場で、19歳という若さで銃殺刑のため亡くなっていました。
そしてマーシュ卿の弟で、三男のライオネルは、戦争前に死去していました。
妹のフィリダは夫と共にジャスティス・ホールを管理しようとしていましたが、
女には爵位は継げません。
いくら権威を振りかざしていても、男系の血筋でないと駄目なのです。

そんな中、弟ライオネルに実は息子が居たという情報が入ってきました。
フランスで、母親と2人で暮らしていたと。
その真偽のほどを調査するホームズとラッセル。

一方で調べていた兄の息子ゲイブリエルの死亡について、
不可解な点が出てきました。
なぜか、彼に関しての従軍資料が、ほとんど紛失しているのです。
その調べを進めるうちに、ある事実が明るみに出て・・・


今回のお話の中には、
第一次世界大戦の、英国軍兵士と敵との塹壕戦の悲惨な情景や、
イギリス貴族の贅を尽くしたカントリーハウスや庭園の描写、
そして、貴族が開催する狩猟の様子など、
とても盛りだくさんで、とても楽しめました。



さて、次作はまた結構待たなくちゃいけないかしら?と思ったら、
巻末に、次作「The Game」の説明がちょっと載っていました。
インドが舞台で英国スパイを巡るお話しだとのこと。

ラドヤード・キプリングの「少年キム」を読んでおくことを薦めていました。
早速、買ってみようと思います。

少年キム

少年キム

  • 作者: 斎藤 兆史, ラドヤード・キプリング
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本


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「クレヨン王国の十二か月」 福永 令三 [本を読んだのだ。]

本屋で、懐かしい本を見つけてしまいました!


クレヨン王国の十二か月

クレヨン王国の十二か月

  • 作者: 福永 令三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/16
  • メディア: 文庫

   家出をしたゴールデン王さまの行方を追って、
   大みそかの夜に始まる、ユカとシルバー王妃のふしぎな旅―。
   多くの子どもたちが夢ふくらませた、色鮮やかなファンタジー世界「クレヨン王国」。
   シリーズ五百万部を超えるベストセラーの原点の全容が、四十年以上を経て、
   いま初めて明らかに。 
   未発表原稿100枚を復活させた文庫オリジナル版。


皆さんは、この「クレヨン王国」シリーズ、読んでましたか?
12色のクレヨンたちが大臣をしている不思議な世界。

このシリーズは、私が自分のお小遣いで初めて買い集めた本たちです。

その頃は、次巻がいつ発売されるか調べようが無く、
頻繁に本屋に見に行ってチェックしたのを思い出します。

クレヨン王国の十二か月

クレヨン王国の十二か月

  • 作者: 福永 令三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/11
  • メディア: 新書

これがシリーズ第1作目。えーと、初版が1980年かぁ。
その頃の私は・・・・小学校1、2年生・・・?
            ・・・・・あ、歳がバレル・・・・・・
まーたぶん、2年生くらいから読んでたんだと思います。

文調は優しくて、まさしく低~中学年向けのお話しなんですが、
骨子はしっかりとしていて、いろいろ学ぶところが満載。
児童書でありながら、
大人の狡さ、子供の狡さ、そして愛や恋、友情を、
誤魔化さずに描いてあります。

そしてやっぱり一番は、自然の素晴らしさ、色彩の多さや、
それに感動する純粋な心が大事だって事を、しっかりと描いているところ。

話のそこここで織り込まれる歌も、すごく楽しみでした。

そしてそして、三木 由記子さんの、ゴテゴテと飾らない挿絵。
ささっと描いてあるように見えるんですが、それが想像を掻き立てられ、
また、感情注入の導入口になってくれてました。

すごく懐かしくなって、戸棚の奥を探ってみたら、ありましたよ~!
買い集めた「クレヨン王国シリーズ」が計25冊ほど!
残念ながら見つからない巻も何冊かあるし、後半は買っていなかったので飛び飛びなんですが。

今は、全部、読み返してみたくなっちゃってます。

 

続きを読む


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新潮、売り切れてますね [本を読んだのだ。]

先日、高村薫さんの「照柿」の記事で、
文芸雑誌の「新潮」で高村さんの新しい連載が始まるって書きました。

その時点では未だ手に入れてなかったんですが、
まぁ、9月7日発売だから、余裕で本屋に置いてあるよな~・・・と思ってたんですが、


そ れ が 、







 

無いんデスッ!!!!





 

密林にも無い。

9月号も、8月号も、7月号だってまだあるのに、
10月号だけ、無い!!


 

新潮 2006年 10月号 [雑誌]

新潮 2006年 10月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/09/07
  • メディア: 雑誌


ここ数日で、知り合いにも頼んで、
10件もの本屋を巡ったんですが、

1冊も見つからないんですーーーッ!!!!!


新潮社のサイトには、普通に "発売中!" とあるんですけどね。


こういう雑誌って、増刷はされないのでしょうか・・・?

もう駄目だとは思うのですが、諦め切れませんっ


明日も、未だ行ってない本屋、巡ってみようと思ってます。

 

―追記―
皆様にはいろいろご協力、ご心配をおかけしましたが、
なんと、9月21日に本屋に行ったら、大量に山積みされてました!

そりゃそーですよねー、売れるんだから増刷しますよね~。
ということで、無事に手に入ったのであります。
って言っても、未だ読んで無いんですけどね~・・・。

遅くなっちゃいましたけど、ご報告まで!


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「照柿 上・下」 高村 薫 [本を読んだのだ。]

「照柿」のぶ厚~い単行本は持っていたんですが、
今回またまた高村さんお得意の"全面改稿"での文庫化ということで、
折角なので、買って読みました。

照柿(上)

照柿(上)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/12
  • メディア: 文庫


照柿(下)

照柿(下)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/12
  • メディア: 文庫


   『マークスの山』に続く 合田刑事第2幕

  <上巻>
   「あの人殺しが遂に死んだか」
   暑すぎた夏、2人の男が堕ちていく。

   ホステス殺害事件を追う合田雄一郎は、電車飛び込み事故に遭遇、
   轢死(れきし)した女とホームで掴み合っていた男の妻・佐野美保子に一目惚れする。
   だが美保子は、幼なじみの野田達夫と逢引きを続ける関係だった。
   葡萄のような女の瞳は、合田を嫉妬に狂わせ、野田を猜疑に悩ませる。

 <下巻>
   「こんな人生、もう嫌なの」
   その瞳が、2人の男を狂わせる。

   難航するホステス殺害事件で、合田雄一郎は一線を越えた捜査を進める。
   一方、平凡な人生を17年送ってきた野田達夫だったが、
   容疑者として警察に追われる美保子を匿いつつ、不眠のまま熱処理工場で働き続ける。
   そして殺人は起こった。
   暑すぎた夏に、2人の男が辿り着く場所とは――。現代の「罪と罰」を全面改稿。





この本、単行本を読んでからずいぶん経っていたんで、
内容は殆ど、忘れていました。

それにしてもこの時期にこの本を文庫化するなんて・・・。
まあ、舞台が夏の話なのでしょうがないんですが、
でも、
夏に読むには本っ当に暑苦しいほど、
34歳と35歳の男2人の情念が、
満っ載、です。

その上、
野田が勤める工場で燃え続けている炉が、
そこかしこで臙脂色の炎を放ち続けていて、
その炎が照柿色となって押し寄せるので、
読んでいるこっちも、照柿色に染められてしまいそうな気になってきます。


ちなみに「照柿色」はこちら→→→→→
                「#fa5f00」が照柿色(てらがきいろ) ?




そしてそして合田刑事ですが、
このお話では、全くと言って良いほど精彩が無く、
幼なじみの野田の精神の不安定さに引き摺られる様に、
どんどんと深みにはまっていきます。

廃れた男たちを堪能できること請け合い。
ぜひ、一読を!




そして、
「新潮」10月号に新連載の『太陽を曳く馬』に、
42歳の合田雄一郎が出てくるとの事。

でも、「新リア王」の続編で、
「晴子情歌」から始まった福澤家シリーズの続編・・・らしい。

ヤバイ!どっちも未読本の山に埋もれてる!!


えーと、新潮をまずは確保してから、
「晴子情歌」と「新リア王」、読み始めようと思います。


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