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「秘密の花園」 三浦 しをん [本を読んだのだ。]

今、放映されてるドラマとは何の関係も無いです。
文庫化にあたり、購入・再読しました。

秘密の花園

秘密の花園

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫


   私は、なにをしているんだろう。
   どうしたら「私」でいられるんだろう?
   カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。
   性格の異なる三人の「私」は、
   家族、学校、男たちの中にあって、
   それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。
   「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。
   甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。
   自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは・・・。
   記念碑的青春小説。


横浜にある、
カトリック系の女子高に通う3人の少女たち、
それぞれの心の葛藤を描いた作品です。

このお話しは、3つの章で構成されていますが、
それぞれ章が、
3人の少女、それぞれの語り口で繰り広げられています。

それぞれが違った文章、語り口になっているんです。

「洪水のあとに」の語り部は、
心の奥底にある嫌な記憶のトラウマにより、
男の子と上手く交流することが出来ない、
那由多(なゆた)。

「地下を照らす光」の語り部は、
幼稚舎から女子高に通う裕福なお嬢様でありながら、
高校の先生との、禁断の恋に溺れている、
淑子。

「廃園の花守は唄う」の語り部は、
心を言葉で上手く表現できないもどかしさを感じながらも、
普段は冷たくて、孤独で、無関心な人間を装い、
でも、那由多には何故か心の深いところで魅かれてしまう、
翠(すい)。

それぞれの話に共通して描かれているのは
女子高の独特な空気感と、
冷めた人間関係と、
そして、揺れ動く、不安定な気持ち。

大人じゃないけど、子供じゃない。
子供じゃないけど、大人じゃない。
そんな彼女たちの心の移り変わりが、
とても繊細で、曖昧で、
危うく描かれています。

そして、
曖昧なまま終わるのがまたいい感じなのです、よふふふ。

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コメント 6

月と、

あ~思い出せそうで思い出せない(苦笑)ちょろっと見た事があります。
曖昧で終わったから熟読をしていない気がする(笑)文庫になったんですね。探さねば~。読書すごいですね。
by 月と、 (2007-03-16 12:16) 

no_nickname

甘酸っぱそうですね・・・
by no_nickname (2007-03-20 12:43) 

あーちんさんの本の紹介文を読んでいるとすごく分かりやすくて読んでみたいなぁって思います。
by (2007-03-20 17:45) 

あーちん

 >月と、さん nice!ありがとうございます。
 はい、再読したら、結構良かったですよ~。
 本は、通勤時間が長いので読む時間があるんです。
 じゃなきゃ、マンガばっかり読んじゃってるかもーw
by あーちん (2007-03-24 02:15) 

あーちん

 >sanisiさん nice!ありがとです。
 はい、sanisiさんのお好きな雰囲気満々だと思います。
 かなり甘酸っぱいですよー。
by あーちん (2007-03-24 02:20) 

あーちん

 >向日葵さん nice!ありがとうございます。
 お褒めのお言葉、恐縮です!!ありがとうございます。
 いつも、本の内容のネタバレをし過ぎないように気をつけて、
 オススメ記事にしてるつもりです。
 読んでみたいって思っていただけるなんて、本望です・・・(*´∇`*)
by あーちん (2007-03-24 02:25) 

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