「グラン・ヴァカンス―廃園の天使 1」 飛 浩隆 [本を読んだのだ。]
SF大作。出会えたことに、感謝です。
仮想リゾート“数値海岸”の一区画、“夏の区界”。
南欧の港町を模したそこでは、
ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、
取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。
だが、それは突如として終焉のときを迎える。
謎の存在“蜘蛛”の大群が、街のすべてを無化しはじめたのだ。
わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦が幕を開ける―
仮想と現実の闘争を描く『廃園の天使』シリーズ第1作。
衝動買いで手にした1冊だったんですが、
ほんと、手にとって良かったです。
2007年度版「SFが読みたい!」で、
この本と、この続編が上位に入っているそうですよ。
舞台は、夏のリゾート地を模した仮想空間。
AIたちが、ゲストを迎えるために、それぞれ暮らしていました。
しかし、1000年前に大途絶(グランド・ダウン)が起こり、
ゲストが突然、誰も来なくなったのです。
ゲストが来なくなって、AIたちは開放感と喪失感を味わいます。
そんな時、「硝視体(グラス・アイ)」とよばれる物体が見つかり、
「硝視体」を使って魔法のようなことを出来る者も。
そして穏やかな1000年が経った後、
突然AIたちの世界に現われたのは、
「蜘蛛」と呼ばれる飢えを伴ったロボット達の大群でした。
蜘蛛たちの「飢え」に飲み込まれていく、夏の区界と、AIたち。
追い詰められたAIたちは、
東の入江にある「鉱泉ホテル」で、
蜘蛛たちを迎え撃つことにするのです。
蜘蛛たちを率いる者は、誰なのか、
何のために夏の区界を侵略するのか、
夏の区界の本当の姿とは、
そして、「硝視体」とは何なのか。
それが、
洗練された文章と、
研ぎ澄まされた色彩と感情の描写で、
衝撃的に描かれていきます。
いやー、凄い!
もー、感動・・・というか、ほんと衝撃!
SFでもこんな文章を描く方、居たんだー。
これは、SF初心者の方にも、
是非是非、読んでいただきたい!!
続きは、単行本で、10月に出ているそうです。
それは気になります。SF普段あまり見ませんよね。でも流れるように引き込まれるように描かれる物語は好物です(笑)
いや素晴らしい。自宅でまったり・・・いや熟読ですね(笑)
by 月と、 (2007-03-11 01:19)
最近SFが読みたくなってこの作者さんの「象られた力」という本を読んだんですが、この人のSFはすごく面白かったです。
ハマリそうです(^∀^)
by きなこもち (2007-03-11 04:18)
>月と、さん nice!ありがとうございます。
SFって、組織vs組織とか、戦闘の面白さとかだったりするんですけど、
この方の文章は、個々の感覚を鋭く描いていて、すごく新鮮でしたよ!
ええ、是非熟読を~!!
by あーちん (2007-03-13 12:35)
>きなこもちさん こんにちは!コメントありがとうございます。
「象られた力」、早速読んでみますね!
この「廃園の天使シリーズ」も、かなり面白いですよ。
私はハマっちゃいました~^^
by あーちん (2007-03-13 12:38)