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「GOTH」~夜の章~僕の章~ 乙一 [本を読んだのだ。]

GOTH 夜の章

GOTH 夜の章

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/06/25
  • メディア: 文庫


GOTH 僕の章

GOTH 僕の章

  • 作者: 乙一
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/06/25
  • メディア: 文庫


   人間の残酷な面を覗きたがる若者たち―“GOTH”を描き
   第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。

  <夜の章>
    「夜」に焦点をあわせた短編三作を収録。
     ・暗黒系 Goth
     ・犬 Dog
     ・記憶 Twins
    森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、
    山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。
    これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。
    もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、
    犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。
    「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。

  <僕の章>
    「僕」に焦点した三篇を収録。
      ・リストカット事件 Wristcut
      ・土 Grave
      ・声 Voice
    この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。
    殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせる「GOTH」の本性を隠し、
    教室に潜んでいた「僕」だったが、あるとき級友の森野夜に見抜かれる。
    「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」という言葉で。
    人形のような夜の貌と傷跡の刻まれた手首が「僕」の中の何かを呼び覚ます。
    彼女の秘密に忍び寄った彼が目撃するのは…。

乙一さんの作品は、4年くらい前に、
「暗いところで待ち合わせ」を読んだことがありました。

暗いところで待ち合わせ

この本の内容のように、
孤独だったり、切なかったりはするけれど、
でも、素敵な恋のお話しを書く方なのだな~・・・・
くらいにしか認識していませんでした。

だから、
乙一(オツイチって読み方も知らなかった・・・)さんの本が平積みで並んでも、
「ベストセラー」とか言われても、
映画化されても、
切ない恋愛系のジャンルの本だっていう概念があったので、
その後、全くて手に取ることも無く、今まで来ちゃいました。

でも先日、「GOTH」のレビューを拝見して、
乙一さんが、ミステリーホラー(?)を書いてると初めて知り、
早速、読んでみた訳です。

内容は、
人間の暗黒部分に惹かれる「僕」が、
殺人を犯した人間に、間接的に、でも積極的に関わっていき、
それによって、「謎」?が解明されていくという、
ミステリー短編集になってます。

謎が解明されていく・・・と言っても、
明らかにされる内容っていうのは、

「犯人は?」だったり、
「殺し方は?」だったり、
「殺しの動機は?」だったりするんですが、
共通しているのが、「死」へ向かう現実感の無さ。

死の描写などは、
読む人によっては、とってもグロテスクだと感じる方も居るみたいですね。

でも、誰でもが心の奥に持っている、暗黒「GOTH」の部分を、
「僕」を通じて、たんたんと見せられてる・・・・・という感じで、
現実感が伴わないんです。

この本を読みながら、「GOTH」の世界観を体現できるというか、
「死」を、たんたんと、興味深く、見てしまうというか。

自分にも、こんな「GOTH」な部分があるんだな・・・と、認識しながら、
でも、そんな自分に鳥肌を立てながら読み終えました。

最後は、救いのある展開で良かったなぁ・・・と思います。
これで最悪な終わり方だったら、
「GOTH」な自分から、なかなか立ち直れないかも。

マンガ化もされているようで、今度、読んでみたいと思います。

この本は、灰色猫のミミさんよりご紹介いただいた本でした。
面白い本をご紹介頂き、ありがとうございます!

乙一さんの本、他のも試してみたいと思います。


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コメント 8

no_nickname

GOTH、漫画のみ読みました。
かなりグロかったですよ!
死体描写に満ち満ちていました。
by no_nickname (2006-06-21 00:51) 

あら?ふぉー

拍子だけでもダークな印象ですねー

そうそう!
バトン指名させていただきましたので
よろしくねー
http://blog.so-net.ne.jp/sasayan_going_my_way/2006-06-21
by あら?ふぉー (2006-06-21 03:05) 

長谷川舞

原作もコミックも読みましたよ~[わはっ]
グロいのが苦手なので友人から「あなたは読まない方が
いいかも」と言われていたんだけど、案外平気でした。
主要人物が妙に冷めていて、みんな少しずつ変わっている為
作中に「一般人の視点」があまり出てこなかったせいかも
しれません。
ホラーというよりどこかファンタジーめいていて
その雰囲気がコミックでも巧く表現されていて
原作を読んだ後でも面白かったです[はぁと]
by 長谷川舞 (2006-06-21 09:30) 

あーちん

 >sanisiさん nice!ありがとうです。
 死体描写に満ち満ちてる・・・・[わおっ]
 田島 昭宇さんのサイコ・・・みたいな感じ?
 ・・・と、とりあえず読んでみます!
by あーちん (2006-06-21 10:31) 

あーちん

 >ささやんさん nice!ありがとうございます。
 そうなんです、ナイフが表紙なんて凄いですよね!
 ひえぇ~~バトンですかぁ・・・が、頑張ります。
by あーちん (2006-06-21 10:33) 

あーちん

 >長谷川舞さん nice!ありがとうございます。
 そうなんです、一人称だからか、どこか現実味が無くって、
 ファンタジーっぽい感じもしますよね~[わはっ]
 コミックも良さそうですね[はぁと]読んでみます~!
by あーちん (2006-06-21 10:36) 

あーちんさま、私の記事まで紹介してくださって…、ありがとうございます。[わはっ]
そう、現実感って不思議と感じないんですが、「あ、この感覚、分かるかも」という不気味さがあるんですよね。
乙一さん作品との出会いは、私も「暗いところで待ち合わせ」だったんですよ。イメージが違ってちょっと驚きましたが、他の乙一ワールドを体験したら、もう驚かなくなりました…。
by (2006-06-21 21:38) 

あーちん

 >灰色猫のミミさん nice!ありがとうございます[はぁと]
 いえいえ、勝手にお名前出してしまってスミマセン[あせっ]
 本当に、いろんな世界[わおっ]を持っている作家さんなのですね~。
 これからは、気にしてチェックしようと思います。
 ご紹介下さり、ありがとうございました[おんぷ]
by あーちん (2006-06-23 12:16) 

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