「となりの姉妹」 長野 まゆみ [本を読んだのだ。]
装丁が、かなり凝ってて素敵な本です。
頁をめくるのが、とても楽しく感じられますよ。
懐かしい場所に、いちばん大切なものがある。
ある日、庭から発見された蛇の石の意味は?
家と家、人と人にまつわる不思議の縁、
幼いときの記憶と「今」を結ぶ秘密の架け橋。
長野まゆみの新境地を拓く新作長編小説!
姉妹はふたりともいい年頃だ。
器量はそこそこで、化粧をすれば美人で通る。・・・・・・
神童だったわが家の兄が今のような風来坊になったのは、
自転車で塾へ向かう途中で雷に撃たれたからだと云う人がある。
運よくかすり傷だったものの、3日ほど寝こみ、
そのあとで以前とは別人のような性格になった。
でたらめな話だが、近所のうわさとはそんなものだ。・・・<本文より>
ストーリーテラーは、
姉妹の隣の家に住んでいる家族の、
娘、佐保です。
彼女から見た、
となりの姉妹、
姉の逸子さんと、
妹の咲也さんとの日々のお付き合い、
そして、
関わることになる、ある出来事を、
淡々と紡いでいきます。
「宙の詩を君と謳おう」 柴田 よしき [本を読んだのだ。]
ララ3部作、書き下ろし完結編です。
1、2作目の記事はこちら「1作目の記事」、「2作目の記事」
秋の町、オータム・ムーンで、ララは幽閉同然の生活を送っていた。
クーデターでウィニーを失脚させた政府は、外宇宙からの来訪者と戦争に突入、
ジムも謎の事故に遇い生死不明。
そんな時、娘のリルルから突然SOSが!
後先を考えず救出に向かうララを待っていたのは・・・。
歳月を経ても決して色褪せない憧れと思い。
ララとウィニーの夢と冒険の物語。三部作完結。
1作目の「星の海を君と泳ごう」では、
学生のララと、天才少年ウィニーと、仲間たちとの冒険、
そしてララとウィニーとの幼い恋心。
2作目の「時の鐘を君と鳴らそう」では、
仕事に苦しむララと、大統領選に挑むウィニーと、仲間たちとの再会と冒険、
そしてララと、ウィニーの側近であるジムとの恋。
そしてそして、
とうとう3作目、文庫書き下ろしで完結編です!
1作目で10代、
2作目で30代だったララ。
今回は2作目から15年後・・・ということは、40代後半ですネ。
「塩の街」 有川 浩 [本を読んだのだ。]
「図書館戦争」の有川浩さんの、初期の作品です。
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。
塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。
その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。
男の名は秋庭、少女の名は真奈。
静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。
あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。
それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた。
そして―「世界とか、救ってみたいと思わない?」。
そそのかすように囁く男が、二人に運命を連れてくる。
第10回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作。
圧倒的な筆力で贈るSFラブ・ファンタジー。
Scene-1からScene-7まで、
原因不明の塩害に侵された街で暮らす秋庭と、
居候の女子高生、真奈とが、
その時々に出会う人々との、
切ない関わり、
そして塩の街を救うべく動き出すまでを、
オムニバス形式で描いています。
また、秋庭と真奈の、恋愛ストーリーにもなってます。
「秘密の花園」 三浦 しをん [本を読んだのだ。]
今、放映されてるドラマとは何の関係も無いです。
文庫化にあたり、購入・再読しました。
私は、なにをしているんだろう。
どうしたら「私」でいられるんだろう?
カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。
性格の異なる三人の「私」は、
家族、学校、男たちの中にあって、
それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。
「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。
甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。
自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは・・・。
記念碑的青春小説。
横浜にある、
カトリック系の女子高に通う3人の少女たち、
それぞれの心の葛藤を描いた作品です。
このお話しは、3つの章で構成されていますが、
それぞれ章が、
3人の少女、それぞれの語り口で繰り広げられています。
それぞれが違った文章、語り口になっているんです。
「グラン・ヴァカンス―廃園の天使 1」 飛 浩隆 [本を読んだのだ。]
SF大作。出会えたことに、感謝です。
仮想リゾート“数値海岸”の一区画、“夏の区界”。
南欧の港町を模したそこでは、
ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、
取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。
だが、それは突如として終焉のときを迎える。
謎の存在“蜘蛛”の大群が、街のすべてを無化しはじめたのだ。
わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦が幕を開ける―
仮想と現実の闘争を描く『廃園の天使』シリーズ第1作。
衝動買いで手にした1冊だったんですが、
ほんと、手にとって良かったです。
2007年度版「SFが読みたい!」で、
この本と、この続編が上位に入っているそうですよ。
舞台は、夏のリゾート地を模した仮想空間。
AIたちが、ゲストを迎えるために、それぞれ暮らしていました。
しかし、1000年前に大途絶(グランド・ダウン)が起こり、
ゲストが突然、誰も来なくなったのです。
ゲストが来なくなって、AIたちは開放感と喪失感を味わいます。
そんな時、「硝視体(グラス・アイ)」とよばれる物体が見つかり、
「硝視体」を使って魔法のようなことを出来る者も。
「小説新潮別冊 yom yom vol.2」 [本を読んだのだ。]
本屋で1冊目の赤い本と並んで積んでありましたよ!
今回も、Amazonでは置いてないみたいです。
「小説新潮別冊 yom yom vol.2」
出版社名 新潮社 (ISBN:4-88660-191-X)
発行年月 2007年02月
価格 680円(税込)
読書好きなアナタへ。
新潮文庫からリリースされる雑誌の第2弾です。
――1914年の創刊以来、多くの読者の支持を受けてきた新潮文庫。
その名門ブランドからリリースされるこの雑誌は、
ポップな表紙と豪華な執筆陣による読みきり作品で、人気急上昇中です。
今回の表紙は、またカワイイですね~。
黄色のアクセントが、雑誌の中にも使われてて良い感じです。
今回も、とってもステキなラインナップです。
是非手にお取りくださいませー!
1冊目の紹介記事はこちら→『yom yom vol.1』
「十七年後の真実 上下」 ノーラ・ロバーツ [本を読んだのだ。]
ノーラ・ロバーツのサスペンス。
ロマンス要素は比較的少なく楽しめました。
長い冬に向かうアラスカ。
先住民族が「白き偉大なるもの」という意味で名づけた
北米大陸最高峰デナリの麓にある人口六百人の田舎町ルナシーに、
ネイトは警察署長として赴任してきた。
大自然に抱かれた田舎町は
ボルティモア市警察時代に同僚を殉職させ、心に傷を負ったネイトを
癒してくれる場所と思われた。
だが、登山者が氷河で遭難し、
救助の過程で胸にピッケルを刺された男の死体が発見される。
十七年前遭難したと思われたパット・ギャロウェイは殺されていたのだ!
大自然を背景に描く、サスペンス巨編!
上巻は、
3つの要素の章が、
交代で組み立てられ、話しが進んでいきます。
メインで進められる話しの章は、
大都市で有能な刑事として活躍し、
将来を有望されつつも、
パートナーの殉職によって心に傷を負い、
逃げるように田舎町に赴任してきた、30代のネイト。
彼が、
雪に覆われたルナシーの自然と、ルナシーの町の人たちに慣れ、
だんだんと心を癒され、開いていく過程が描かれます。
2つ目の章は、
ある登山グループのひとりが記していた登山日誌を記した章。
3つ目は、
無謀にも氷山の頂上への登山を目指している、
あるグループの描写の章です。
「ゆくとしくるとし」 大沼 紀子 [本を読んだのだ。]
題名的には時期を外しましたが、
内容的には全く問題ありませんでした。
ほんわか暖まるストーリーです。
年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、オカマがいた。
そんな予想を覆す我が家の風景に違和感を覚えながらも、
閉じこもりがちな感情が、
明るくたくましいオカマのお姉さんと、母のいつもと変わらぬ愛で、
少しずつ開いていく・・・。
ヘッポコ助産所ではぐくまれる母とオカマと私の物語。
第9回坊ちゃん文学賞大賞受賞作。
書き下ろし作品「僕らのパレード」同時収録!
「ゆくとしくるとし」は、
年末に帰省したトリコが年末年始を自宅で過ごす間に、
いつの間にか実家に居候していた、
オカマのミカさんと母親との間で流れる、
暖かい空気と、大きな笑いに、
心から癒される、
ほんわか暖かい、かなり心地よいお話しです。
でも私は、
書き下ろしの「僕らのパレード」のお話しのほうが好きでした。
「クジラの彼」 有川 浩 [本を読んだのだ。]
表紙のさわやかさ、綺麗さに惹かれて衝動買いです。
「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。
人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。
そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。
いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。
そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。(「クジラの彼」より)
男前でかわいい彼女たちの最強恋愛小説作品集!
この方、「図書館戦争」の方なんですね!
買うときには気付きませんでした!
内容は、
自衛隊関連という特殊な職場で働いているだけの、
普通の男女を主人公とした、
ベタ甘恋愛ストーリーです。
「フォー・ディア・ライフ」 柴田 よしき [本を読んだのだ。]
「聖なる黒夜」を読んでから、
柴田よしきさんの作品に、かなりハマってます。
元マル暴、現私立探偵兼保育園園長。タフで優しい極上探偵物語。
新宿2丁目で無許可だが最高にあったかい保育園を営む男・花咲慎一郎、
通称ハナちゃん。
慢性的に資金不足な園のため金になるヤバイ仕事も引き受ける
探偵業も兼ねている。
ガキを助け、家出娘を探すうちに巻きこまれた事件の真相は、
あまりにも切なかった・・・・・・。
稀代のストーリーテラーが描く極上の探偵物語。
新宿2丁目の築38年のボロビルの2階に、
私設保育園「にこにこ園」があります。
そこで園長をしているのは、
元本庁のマル暴刑事の、ハナちゃん。
2丁目で働き暮らしている女性たちのため、
その子供たちのために、
格安で子供を預かっています。
だから、にこにこ園はいつも赤字。
その赤字を補填するため、ハナちゃんは、
ヤクザが絡むような、
危ない探偵業を続けているのです。