「となりの姉妹」 長野 まゆみ [本を読んだのだ。]
装丁が、かなり凝ってて素敵な本です。
頁をめくるのが、とても楽しく感じられますよ。
懐かしい場所に、いちばん大切なものがある。
ある日、庭から発見された蛇の石の意味は?
家と家、人と人にまつわる不思議の縁、
幼いときの記憶と「今」を結ぶ秘密の架け橋。
長野まゆみの新境地を拓く新作長編小説!
姉妹はふたりともいい年頃だ。
器量はそこそこで、化粧をすれば美人で通る。・・・・・・
神童だったわが家の兄が今のような風来坊になったのは、
自転車で塾へ向かう途中で雷に撃たれたからだと云う人がある。
運よくかすり傷だったものの、3日ほど寝こみ、
そのあとで以前とは別人のような性格になった。
でたらめな話だが、近所のうわさとはそんなものだ。・・・<本文より>
ストーリーテラーは、
姉妹の隣の家に住んでいる家族の、
娘、佐保です。
彼女から見た、
となりの姉妹、
姉の逸子さんと、
妹の咲也さんとの日々のお付き合い、
そして、
関わることになる、ある出来事を、
淡々と紡いでいきます。
ですが、
お話しの中心に居るのは、
佐保とは8歳離れている、
32歳の兄、立彦。
妻子が居るのにも関わらず、家に居着かない兄が、
半年振りに姿をあらわした理由は、
町内の酒屋、菊屋の小母さんの葬式のため。
兄が言うには、
隣の姉妹が暮らしている土地は、昔は藪で、
浅く土を掘りかえすだけで、
やたらと鏡が出てきて、
そして、
そこに鏡を埋めていたのは、
菊屋の小母さんだとのこと。
その理由を、小母さんに聞きたかったと。
その後、
菊屋の主人、半蔵さんが訪ねてきます。
菊屋の小母さんの遺品を整理していて、
見つかったものを持ってきたといいます。
それは、隣の姉妹の姉である、逸子さん宛であろう、
「イッコちゃんえ」と書かれた封筒でした。
その封筒に入っていた写真に写っていた人物を追ううちに、
佐保の兄が言っていたことと、
隣の姉妹と、
繋がっていくのですが・・・。
うーん、
長野まゆみさんの作品って、
相変わらず、不思議な世界観ですね。
曖昧模糊とした、
主題が拡散したような、
でも繋がってる不思議感。
けっこう、クセになります。
この本は、
もっと早く発売されるはずだったのが、
装丁に凝ったために、
発売予定が延期されたりした本なんです。
でも、凝っただけあって、
中の用紙も、
もちろん表紙も、
中表紙も、
派手ではないけど、
すっごくステキに仕上がってます。
全部の単行本が、
こんなに凝ってる本だったら嬉しいのになー。
気になる方は、
是非、本屋で手にとって見てくださいませ。
水彩画っぽい淡い色使いがステキっすね・・・
本屋で手にとって見てみます。駅前のジュンク堂で。
by no_nickname (2007-05-28 17:56)
>sanisiさん nice!ありがとーございます。
はい、中表紙も好い感じなんですよ~。
要チェキっす。
by あーちん (2007-06-10 00:47)
>lapisさん nice!ありがとうございます~。
by あーちん (2007-06-10 00:47)
>向日葵さん nice!恐縮です。ありがとうございます!
by あーちん (2007-06-10 00:48)